クッキーとビスケットの違いって何?サブレ、スコーン、クラッカー、プレッツェルとの違いも解説

クッキーとビスケットの違いは糖分と脂肪分の量の違いです。

日本国内の定義では、糖分と脂肪分の合計が40%以上で手作り風の見た目をしているのがクッキー、それ以外がビスケットと定められています(全国ビスケット協会の定義)。

クッキーとビスケットの違いを表にまとめると次の通りです。

項目クッキービスケット
全国ビスケット協会の定義糖分と脂肪分の合計が40%以上
手作り風の見た目のもの
糖分と脂肪分が全体の40%未満
発祥アメリカイギリス
由来焼き菓子長期保存用のパン
語源小さなお菓子2度焼かれたもの
日本へ伝わった時期戦後室町時代(1543年)
クッキーとビスケットの違い

この記事では、クッキーとビスケットの違いを詳しく解説していきます。

さらに、同じような仲間のサブレやスコーン、クラッカー、プレッツェルとの違いについてもまとめてありますので、ご興味のある方はぜひお読みください。

クッキーとビスケットの違い|全国ビスケット協会の定義

日本でクッキーとビスケットの違いを定めているのが「全国ビスケット協会」という団体です。

この団体ではクッキーとビスケットを次のように定めています。

ビスケット
小麦粉、糖類、食用油脂及び食塩を原料とし、必要により澱粉、乳製品、卵製品、膨張剤等の原材料を配合し、又は添加したものを混合機、成型機及びビスケットオーブンを使用して製造した食品をいう。

クッキー
「手づくり風」の外観を有し、糖分及び脂肪分の合計が重量百分比で40パーセント以上のもので、嗜好に応じ、卵製品、乳製品、ナッツ、乾果、蜂蜜等により製品の特徴付けを行って風味よく焼きあげたもの

出典:https://www.biscuit.or.jp/summary/data/hyoji.pdf

ちょっと分かりずらいので簡単に説明すると、ナッツやドライフルーツがデコレーションされたような手作り風の甘いお菓子がクッキー、比較的シンプルで甘さ控えめな方がビスケットと言えます。

その境界線となるのが「糖分+脂質」の合計の40%です。

クッキー(ソフトビスケット)
「糖分+脂質」が40%以上で甘くて手作り風。
ナッツやドライフルーツでデコレーションしている。
ビスケット(ハードビスケット)
「糖分+脂質」が40%未満で、甘さは控えめ。

全国ビスケット協会の定義によれば、クッキーもビスケットの一種ということになっているので、ビスケットのうち「糖分+脂質」が40%以上のものをクッキーと呼ぶというのが正確な意味になります。

ただし、これは法律で定められているわけではないので、クッキー、ビスケットどちらで呼んでも実際には間違いではありません。

クッキーよりもビスケットが先に日本へ伝来

ビスケットが日本に伝えられたのは、意外にも歴史が古く、今から450年以上も前の1543年(室町時代)のことです。

種子島に漂流したポルトガル人が鉄砲などと一緒に日本にビスケットを伝えたのです。

ヨーロッパでは、昔から遠征や航海のときに、日持ちの良い食料が必要だったため長期保存用のパンとしてビスケットが発明されたのです。

当時のビスケットは単なる保存食だったので、そこまで甘くはなかったのではないかと思います。

クッキーが日本へ伝わると高級品として広まる

その後、約400年が経過した戦後の時代、アメリカからクッキーが伝わります

当時は、甘いものやお菓子はめったに手に入らない貴重な時代でした。

だから、ビスケットより甘くてデコレーションされたクッキーは日本人にとって高級品でした。

そんな背景があったことで、「ビスケットは安いお菓子」「クッキーは高級なお菓子」というイメージが日本人の中に定着していったのです。

ビスケットとクッキーの違いが定義される

クッキーが日本に伝わってからしばらくすると、ビスケットを「クッキー」として販売する人たちが現れ始めました。

同じ値段なら「高級品のクッキー」として販売した方がよく売れたからでしょう。

そうなると、当然ながらお客さんの中で「クッキーを安く買ったらビスケットだった」という誤解が生じるようになってしまったのです。

そこで1971年、全国ビスケット協会は公正な競争を確保するため、クッキーとビスケットの違いを定義することになったのです。

それが冒頭でお伝えした定義、「糖分と脂肪分の合計が40%以上で手作り風の見た目をしているのがクッキー、それ以外がビスケット」というものです。

クッキーとビスケットの語源と由来の違い

クッキーとビスケットには、それぞれ語源とその由来があります。

ビスケットは「2度焼きしたパン」が語源

ビスケットの語源は、ラテン語で「2度焼きしたパン」を意味するビスコクトゥム・パネム(biscotum panem)です。

ビスケットは、パンを保存食にしたのが始まりだからです。

生地を焼いて(1度目)パンにしたものを乾燥し、もう一度焼いた(2度目)ものがビスケットの原型です。

パンを乾燥させて2度焼きすることで、日持ちを良くしていたのです。

クッキーは「小さなお菓子」が語源

一方、クッキーの語源はオランダ語で「小さなお菓子」を意味するクーク(koek)です。

もともとは、ケーキを焼く前に、オーブンの温度や生地の味を確かめるために、少しだけケーキの生地を焼いたことがクッキーの始まりです。

以上がクッキーとビスケットの違いでしたが、焼き菓子には、クッキーとビスケットの他にも代表的なものとして、サブレ、スコーン、クラッカー、プレッツェルなどがあります。

これらとの違いやそれぞれの特徴についても見ていきましょう。

サブレ、クッキー、ビスケットの違い

サブレのイメージ

サブレは、ショートニングを多めに使用している点がクッキー、ビスケットとの大きな違いです。

ベーキングパウダーを使用せず、ショートニングを多めに使うことで独特のサックリとした食感が生まれます。

サブレ

特徴:ベーキングパウダーを使わずにショートニングを薄力粉と同じ分量使うため、独特のサックリとした食感に。

発祥:フランス

語源:
1:サブレが作られた地方都市サブレ=シュル=サルト説
2:17世紀にサブレ侯爵夫人が作ったお菓子だから説
3:「砂で覆われた」という意味のサブレ(sablé)説

クッキー

特徴:ベーキングパウダーを使用する場合もある。サクサク食感が特徴。ビスケットに比べて「糖分+脂質」が多め(40%以上)。

発祥:アメリカ

語源:
小さなお菓子

ビスケット

特徴:ベーキングパウダーを使用する場合もあります。クッキーに比べて「糖分+脂質」が少なめ(40%未満)。

発祥:イギリス

語源:
2度焼かれたもの

出典:https://www.hato.co.jp/hato/index.html

スコーン、クッキー、ビスケットの違い

スコーンのイメージ

スコーンは、見た目からして、クッキーやビスケットとは違うのがお分かりだと思います。

同じ焼き菓子の中でもパンに近いです。

スコーン

特徴:外側がほど良い硬さになっていてザックリとした歯ごたえがある。

発祥:スコットランド

語源:
1:「上質な白パン」を意味するオランダ語の「schoonbrot」または、ドイツ語の「sconbrot」説
2:スコットランド王が即位で冠をかぶる際に座った「運命の石(スコーン)」説
3:「ひと口大の大きさ」を意味するスコットランドのゲール語「Sgonn」説

クッキー

特徴:サクッと焼き上げたお菓子で、ビスケットに比べて「糖分+脂質」が多め(40%以上)。

発祥:アメリカ

語源:小さなお菓子

ビスケット

特徴:サクッと焼き上げたお菓子で、クッキーに比べて「糖分+脂質」が少なめ(40%未満)。

発祥:イギリス

語源:2度焼かれたもの

クラッカー、クッキー、ビスケットの違い

クラッカーのイメージ

クラッカーは、甘みのあるクッキーやビスケットと比べて、塩見が強いというのが大きな違いです。

クラッカー

特徴:薄く軽く焼き上げたお菓子で、塩味が強いのが特徴。

発祥:アメリカ

語源:「パチパチと音を立てること」を意味する「crackling(クラックリング)」

クッキー

特徴:サクッと焼き上げた甘いお菓子で、ビスケットに比べて「糖分+脂質」が多め(40%以上)。

発祥:アメリカ

語源:小さなお菓子

ビスケット

特徴:サクッと焼き上げた甘いお菓子で、クッキーに比べて「糖分+脂質」が少なめ(40%未満)。

発祥:イギリス

語源:2度焼かれたもの

プレッツェル、クッキー、ビスケットの違い

プレッツェルのイメージ

プレッツェルは表面の光沢とカリッと歯応えがある点がクッキー、ビスケットとの違いです。

焼く前にアルカリ溶液に数秒つけてから焼くことで、この光沢が生まれるそうです。

グリコの「ポッキー」や「プリッツ」はこのプレッツェルでできています。

プレッツェル

特徴:生地が棒状。焼く前に、水酸化ナトリウム水溶液につけることで独特なブラウン色の光沢が生まれる。

発祥:ドイツ

語源:「腕」を意味するラテン語「ブラーキテッルム(brachitellum)」

クッキー

特徴:薄く伸ばした生地をいろんな形に型抜きし、デコレーションを加えて焼くことが多い。ビスケットに比べて「糖分+脂質」が多め(40%以上)。

発祥:アメリカ

語源:小さなお菓子

ビスケット

特徴:薄く伸ばした生地を円形に型抜きし、針穴をあけた形が典型的。クッキーに比べて「糖分+脂質」が少なめ(40%未満)。

発祥:イギリス

語源:2度焼かれたもの

クッキー、ビスケットの仲間たち

最後に、今回ご紹介した焼き菓子をまとめてみました。

クッキー
「糖分+脂質」が40%以上で甘くて手作り風。
ナッツやドライフルーツでデコレーションしている。
ビスケット
「糖分+脂質」が40%未満で、甘さは控えめ。
サブレ
ベーキングパウダーを使わずにショートニングを薄力粉と同じ分量使うため、独特のサックリとした食感に。
スコーン
外側がほど良い硬さになっていてザックリとした歯ごたえが特徴。
クラッカー
クッキーやビスケットと比べて、塩見が強く軽い口当たりが特徴。
プリッツ
棒状の生地とブラウン色の光沢が特徴。

クッキーとビスケットは海外ではどう違う?

日本では、全国ビスケット協会がクッキーとビスケットの違いを定義していますが、海外ではどのような区別をしているのでしょうか?

クッキーとビスケットのそれぞれの発祥国、アメリカとイギリスを例に見てみましょう。

アメリカのクッキーとビスケットの違い

アメリカでは、クッキーとビスケットはそれぞれ次のような位置付けです。

クッキー
日本のクッキー、ビスケットは両方ともアメリカではクッキー。
ビスケット
アメリカのビスケットは日本のスコーンと同じ。柔らかい菓子パンのことです。

アメリカでは日本のクッキーとビスケットが両方とも「クッキー」で、アメリカのビスケットは日本の「スコーン」です。

ケンタッキーで売られているビスケットという商品がまさにこれですね。

イギリスのクッキーとビスケットの違い

イギリスでは、アメリカとは反対に「ビスケット」の方が日本のクッキーとビスケットです。

そして、クッキーという言葉は使わないようです。

クッキー
イギリスにはクッキーという言葉はありません。
ビスケット
イギリスでは焼き菓子全般をビスケットと呼びます。

日本、アメリカ、イギリスのクッキーとビスケットの比較表

3つの国のクッキーとビスケットの違いをまとめると次の通りになります。

項目クッキービスケット
日本糖分と脂肪分の合計が40%以上
手作り風の見た目のもの
糖分と脂肪分が全体の40%未満
アメリカ焼き菓子全般柔らかい菓子パン(スコーン)
イギリスなし焼き菓子全般
クッキーとビスケットの比較(日本・アメリカ・イギリス)

問題:「きのこの山」と「たけのこの里」の違いは?

出典:https://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/kinotake/

「きのこの山とたけのこの里どっちが好き?」なんて会話をしたことがある方も多いはず。

実はこの2つの違い、形だけではありません。

食べたときの食感でお気づきの方もいると思いますが、下のスナック部分がそれぞれ異なります。

このページでご紹介したクッキー、ビスケットやその仲間たちの特徴を踏まえて、きのこの山とたけのこの里のスナック部分がそれぞれ何でできているか考えてみましょう。

公式サイトの正解は・・・?

「きのこの山」「たけのこの里」公式サイトによると

きのこの山 → クラッカー
たけのこの里 → クッキー

でそれぞれ作られています。

「きのこの山」が好きな人はクラッカー派、「たけのこの山」が好きな方はクッキー派だったんですね。

まとめ

この記事では、クッキーとビスケットの違いが糖分と脂肪分の合計の量で決まるということが分かりました。

糖分と脂肪分の合計が40%以上で手作り風の見た目をしているのがクッキー、それ以外がビスケットでしたね。

それから、代表的な焼き菓子の特徴や違いについてもご紹介しました。

同じように小麦粉を使った焼き菓子なのに、作り方ひとつでこんなにバリエーションの豊富になるなんて、小麦粉の力ってすごいなと改めて思いました。