スパゲッティとパスタの違いは何?答えを知るとパスタの奥深さがわかる

スパゲッティとパスタの違いは、パスタが小麦粉と水を練り合わせて作られた食品全般で、スパゲッティがその中の麺類のひとつです。

違いをイメージで表すと次のようになります。

パスタとスパゲッティの関係図

ここでは、スパゲッティとパスタの違いから始まり、世間ではあまり知られていないパスタの幅広い知識についてご紹介します。

記事を読み終わる頃には、パスタについて周りの人たちに語れるくらいになっていることでしょう。

ご興味のある方はぜひお読みください。

スパゲッティとパスタの違い

スパゲッティとパスタの違いは冒頭でお伝えした通り、パスタが小麦粉の生地を使った食品全般、その中にある麺類のひとつがスパゲッティです。

パスタ

小麦粉と水を練り合わせて作られた食品全般

スパゲッティ

パスタの中の麺類のひとつ

日本国内においては、日本農林規格(JAS)と一般社団法人 日本パスタ協会によって、パスタとスパゲッティがそれぞれ定義されています。

パスタ
「小麦粉と水を練り合わせて作られた食品のこと。スパゲッティやマカロニなどの麺の総称」(一般社団法人 日本パスタ協会)

スパゲッティ
「1.2mm以上の太さの棒状又は2.5mm未満の太さの管状に成形したもの」(日本農林規格(JAS))

出典:一般社団法人 日本パスタ協会 マカロニ類の日本農林規格に係る規格調査結果

日本農林規格(JAS)って何?

JASというのは、お店で売られている食品が一定の品質を満たしていることを保証する基準を定める機関です。

JAS規格を満たした商品には、その証としてJASマークが付けられます。

出典:https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/

JASマーク

以上がスパゲッティとパスタの違いです。

ここでは、さらにパスタとスパゲッティについて深掘りしていきたいと思います。

日本国内のパスタの定義

最初はパスタについて、日本国内でどのような分類になっているのかをご紹介します。

パスタを4種類に分ける太さの基準

パスタはJASの「マカロニ類の日本農林規格」によって4つに分類されています。

マカロニ

2.5mm以上の太さの管状又はその他の形状(棒状又は帯状のものを除く)に成形したもの。

スパゲッティ

1.2mm以上の太さの棒状又は2.5mm未満の太さの管状に成形したもの。

バーミセリ

1.2mm未満の太さの棒状に成型したもの。

ヌードル

帯状に成型したもの。

出典:https://www.pasta.or.jp/content/basic/

ご覧いただくとお分かりの通り、JAS規格では棒状や管状のパスタを太さで分類しています。

棒状パスタの分類

これとは別に帯状のパスタは「ヌードル」という位置付けになっています。

パスタを2つに分ける長さの基準

これはJAS規格ではありませんが、一般的に長さを基準に「ショートパスタ」「ロングパスタ」という区別もあります。

ショートパスタ

文字通り「短いパスタ」をショートパスタと呼びます。代表格はマカロニ。

ロングパスタ

長さが25cmほどの麺状のパスタをロングパスタと呼びます。代表格はスパゲッティ。

これが日本におけるパスタの分類です。

次に、スパゲッティについて深掘りしていきましょう。

スパゲッティはパスタの中の一種

冒頭でもお伝えした通り、スパゲッティはパスタの1種です。

一般的なスパゲッティは、麺の太さが2mm前後。

JAS規格では1.2mm〜2.5mm未満の太さがスパゲッティとされています。

スパゲッティの由来は「少し細いひも」

スパゲッティは、もともとイタリア語でひもや糸を表す「スパーゴ(spago)」と「少し」という意味の「エット(etto)」が組み合わされた言葉です。

スパゲッティ = スパーゴ(spago) + エット(etto)

つまり、スパゲッティの語源は「少し細いひも」です。

スパゲッティ、スパゲッティーニ、スパゲットーニの違いは?

お店で「スパゲッティーニ」「スパゲットーニ」というメニューを見たことがある方もいると思います。

「スパゲッティ」「スパゲッティーニ」「スパゲットーニ」

発音が似ているので混乱してしまいそうですが、本場イタリアではそれぞれ太さの違う麺類パスタです。

パスタの分類麺の太さ(直径)
スパゲッティーニ1.2mm~1.6mm
スパゲッティ1.6mm~1.9mm
スパゲットーニ2.0mm以上
スパゲッティーニ・スパゲッティ・スパゲットーニの比較(イタリア)

ただし、日本のJAS規格では1.2mm〜2.5mm未満であればスパゲッティなので、上記3つはすべてスパゲッティということになります。

そうなんです。

本場イタリアは日本よりもパスタの分類がとても細かいのです。

本場イタリアのパスタは500種類以上

さて、ここからは本場イタリアにおけるパスタの種類について見ていきましょう。

日本ではJASの定めるパスタが4種類だけですが、本場イタリアでは500種類以上あると言われています。

同じ生地から作られた食べ物が500種類以上もあるってすごいですね。

ここでは、その一部をご紹介します。

代表的なショートパスタ15種類

はじめにショートパスタをご紹介します。

マカロニ
直径3~5mmの筒状パスタです。
マカロニは英語の表現で、イタリアでは「マッケローニ」と呼ばれます。
グラタンやサラダのトッピングでよく使用されます。
リガトーニ
マカロニよりも太い直径8~15mmの筒状パスタで縦に筋が入っています。
「線を引く」のイタリア語「リガーレ(rigare)」が名前の由来。
ペンネ
筒状のパスタで、両端を斜めにカットしてあるのがペンネの特徴。
ペン先に形が似ていることから「ペン」を意味するイタリア語「penna(ペンナ)」が名前の由来です。 
アラビアータという料理でよく使われます。
マニケ
直径20~30mmの太い円筒状のパスタです。
「袖(そで)」を意味するイタリア語「マニカ(manica)」が名前の由来。
肉や野菜を中に詰めて調理するのが一般的です。
カヴァタッピ
マカロニをらせん状にねじったようなパスタです。
カヴァタッピ(cavatappi)という名前は「栓抜き」という意味です。
ワインのオープナーのような形からその名前が付けられました。
フジッリ(スピラーレ)
らせん状にねじれているパスタ。
古いイタリア語で「ライフル」を意味する「fusile」が名前の由来。
ファルファッレ
蝶のような形をしたパスタ。
「蝶」を意味するイタリア語「ファルファラ(farfalla)」が名前の由来。
クリーム系のソースとの相性が良い。
コンキリエ(シェル)
「貝殻」を意味するイタリア語「コンキリア(conchiglia)」が名前の由来。
その名の通り貝の形をしたパスタです。
表面には筋がついていて、幅10mm~20mmのものが一般的。
ルマコーニ
カタツムリに似ていることから、カタツムリを意味するイタリア語「ルマーケ(Lumaca)」が語源です。
茹でたパスタの中にひき肉や野菜、チーズを詰めて、トマトソースなどと絡めて食べます。
オレッキエッテ
イタリア南部プッリャ州とバジリカータ州を代表するパスタ。
耳たぶのような形が特徴。
「耳」を意味するイタリア語「オレッキオ(orecchio)」が名前の由来。
柔らかく茹でたブロッコリーをくぼみに詰めた料理が一般的です。
ラビオリ
30mm前後の四角い詰め物入りの生バスタ。
中にはひき肉やみじん切りにした野菜、チーズなどを中に詰めます。
茹でたりスープに入れて食べます。

カペレッティ
イタリア北部のエミリア・ロマーニャ地方の郷土料理。
「カペレッティ(cappelletti)」という名前はイタリア語で「帽子」という意味から来ています。
スープや煮込み料理によく使われます。
ニョッキ
ショートパスタの元祖といわれています。
「木のこぶ」を意味するイタリア語「ニョッコ(nocchio)」が名前の由来。
小麦粉とじゃがいもで作られています。

リゾーニ
お米の形をしたパスタです。
スープやサラダに使用したり、お米の代わりとして料理に使われることもあります。
ルオーテホイール
英語で「ホイール」、イタリア語で「ルオーテ」と呼ばれるパスタ。
車輪を意味するイタリア語「ルオーテ(Ruote)」が語源です。
トマトソースやクリームソースで食べるのが定番。

代表的なロングパスタ12種類

次はロングパスタの種類について見ていきましょう。

ロングパスタは、断面の形が円形、楕円形、筒形、平形、正方形とあります。

ロングパスタの断面図

それぞれの分類を見ていきましょう。

断面が円形のロングパスタ

ロングパスタの中でも一番ポピュラーなのが、スパゲッティを代表とする円形のロングパスタです。

断面が円形のパスタは、下の表のとおり麺の太さで分類されます。

断面が円形のロングパスタ直径
カッペリーニ(カペッリ・ダンジェロ)0.9mm
ヴェルミチェッリ(バーミセリ)1.0~1.2mm
フェデリーニ1.4mm~1.5mm
スパゲッティーニ1.6mm~1.7mm
スパゲッティ2mm前後
スパゲットーニ2mmより太い
断面が円形のロングパスタの分類(イタリア)

断面が平形のロングパスタ

次は、生地を薄く伸ばした平形のパスタです。

有名どころは次の3つです。

タリアテッレ(フェットゥチーネ)
幅5mm〜10mmのリボン状のパスタ。
「切る」を意味するイタリア語の「タリアーレ(tagliare)」が語源と言われています。
ミートソースであえるのが一般的。
パッパルデッレ
タリアテッレと同じリボン状のパスタですが、幅は倍以上の20mm前後あります。
「豪快に食べる」「食いしん坊」を意味するイタリア語「パッパーレ(pappare)」が語源。
ラザニア
シート状のパスタです。
イタリアでは「ラザーニェ」と呼びます。
パスタの名前と同じ「ラザニア」という料理が代表的です。

最後にその他のパスタをご紹介します。

断面が楕円形、筒形、正方形のロングパスタ

断面が少し変わった形の楕円形、筒形、正方形のロングパスタでそれぞれ代用的なものは次の通りです。

リングイネ
短径1mm、長径3mmくらいの太さです。
「小さな舌」という意味のイタリア語「リンガ(lingua)」が語源。
ブカティーニ
直径2mm〜3mm。
「穴」を意味するイタリア語「ブーコ(buco)」が語源と言われています。
キタッラ
約2mm×2mmの正方形の断面になっているパスタ。
イタリア中部にある都市ラクイラの発祥です。

以上が、イタリアにおけるパスタの種類でした。

なぜ、日本でスパゲッティとパスタは混同されてしまったのか?

そもそも、なぜ日本人はスパゲッティとパスタの違いが曖昧なのでしょうか?

その理由は、日本にパスタがやってきた歴史が関わっていました。

パスタが日本へ伝わった歴史

明治初期:マカロニが伝来

1872年(明治5)に仮名垣 魯文(かながき ろぶん)が書いた西洋料理書『西洋料理通』にパスタに関する記録が残されています。

当時、パスタっぽいものはすべて「マカロニ」と呼んでいたそうです。

1908(明治41)年:カゴメがトマトケチャップを発売

パスタに欠かせないトマトソースの材料「ケチャップ」が誕生します。

1940年代:スパゲッティ・ナポリタンが誕生

終戦後にようやくスパゲッティが日本に広まるようになります。


1966年:明星リッチが月刊誌『イタリア パスタの研究』を創刊

この中で西村暢夫氏が「パスタ」という言葉を日本で初めて紹介。


1988年:イタめしブーム到来

「イタめし」とはイタリア料理のこと。当時、イタリア料理店が東京中に乱立します。
このブームで「パスタ」という言葉が一般に広まるようになりました。

1990年代:イタリアンブームが再来

平成に入り、イタリアンブームが再び到来します。

出典:https://cuisine-kingdom.com/100years-of-pasta/
https://macaro-ni.jp/92629

上記を見ていただくとお分かりの通り、最初は何でも「マカロニ」と呼ばれていた時代がありました。

その後、スパゲッティとナポリタンが認知されるようになります。

そして、1988年のイタめしブームでようやく、スパゲッティがパスタの一種だったことが一般に認知されるようになります。

イタめしブームを通じて、いつの間にか「パスタ」という呼び名が広まったため「パスタってスパゲッティの違う呼び方かな?」と思っていた方も多いと思います。

今でもスパゲッティは「パスタ」「スパゲッティ」どちらでも呼ばれることがあるので、ややこしいかもしれませんね。

まとめ

この記事では、スパゲッティとパスタの違いから始まり、本場イタリアにおけるパスタの種類や日本へ伝来してきた歴史について見てきました。

パスタが小麦粉と水を練り合わせて作られた食品全般、スパゲッティがその中の麺類のひとつ。

ここまでお読みになられた方は、もうスパゲッティとパスタの違いが分からなくなることはないと思います。

それにしても、イタリアではパスタが500種類以上というのは驚きです。

細かく分類すると、パスタは形だけでなく小麦粉の種類、生パスタか乾燥パスタか、発祥やその起源によってそれぞれ名前が付けられるそうです。

イタリアにとって、パスタはいろんな形と名前がそれぞれの地域で付けられる創造的な食べ物だったということが分かりました。

合わせて読みたい記事