ハロウィンの由来を子供向けと大人向けで解説

ハロウィンの由来はアイルランドに伝わる収穫祭です。

この記事では、ハロウィンの由来を子ども向けと大人向けの両方で解説しています。

はじめに「この記事の使い方」をご覧ください。

目次

この記事の使い方

前半は、お子さんにそのまま読み聞かせができるようにイラスト入りの記事になっています。

後半は大人向けの詳しい解説です。

ハロウィンについてお子さんからいろいろと質問をされたときは、大人向けの記事に目を通していただくと参考になると思います。

この記事を通してハロウィンについてお子さんと楽しくコミュニケーションを取っていただけたら幸いです。

下記のリンクからそれぞれの記事をお読みいただけます。

ハロウィンの由来を子供向けに解説

ハロウィンってなに?

たくさんのたべものにありがとうのひ

ハロウィンは、たくさんの食べ物がとれたことをみんなでお祝いする日。

1年間、食べ物にめぐまれたことをみんなで神様に感謝します。

みんなでおばけのまねをするひ

それから、みんなでオバケのマネするお祭りの日でもあるの。

どうしてオバケのマネをするの?

ほんもののおばけをおどろかすため

ハロウィンの日は死んじゃった人たちが帰ってくる日。

死んじゃったおじいちゃんやおばあちゃんが

住んでいたお家にごあいさつしに来るんだよ。

でも、そのときに悪いオバケも一緒について来てしまうから、

オバケに悪いことをされたら困るでしょ?

だから、みんなも怖〜いオバケのマネをして、

オバケの仲間だと思わせて、悪さをされないようにするんだよ。

それに、怖いオバケの格好をしていたら、

オバケの方が逆にびっくりして逃げていくからね。

だから、みんなでオバケのマネをしましょう。

どうして死んじゃった人が帰ってくるの?

しんだひとのせかいのとびらがひらくから

ハロウィンの日は、死んだ人たちの世界と

生きている人たちの世界との

扉が開く特別な日なんだって。

だから、みんなのご先祖さまもお家に帰ってくるんだよ。

カボチャのオバケはなに?

みんなをおばけからまもってくれるおまもり

カボチャで作ったオバケはみんなを守ってくれるお守りだよ。

これを置いておくとオバケが怖がって逃げていくの。

見た目はちょっと怖いけれど、

みんなのことを悪いオバケから守ってくれる強い味方だね。

どうしてカボチャは怖い顔をしているの?

おばけをこわがらせるため

カボチャがかわいいお顔をしていたらおばけがみんな集まって来てしまうよね。

だから、怖〜いお顔をしたカボチャでおばけを怖がらせるんだよ。

ハロウィンの由来を大人向けに解説

ハロウィンは、今から2700年くらい前の古代ケルト民族のお祭り「サウィン祭」が由来とされています。

ケルト暦では夏と冬の境目にあたる10月31日が大みそかです。

大みそかには、あの世とこの世の間の扉が開かれ、死者の霊たちがこの世に戻ってくると信じられていました。

そのため、祖先の霊たちは家へ迎え入れ、悪霊たちは不気味な仮装で驚かして、追い払おうというのがハロウィンの仮装の始まりです。

ハロウィンの起源とされるサウィン祭の「サウィン」には「夏の終わり」という意味があり、夏が終わり、冬が始まろうとする最後の日に、この1年の収穫を神に感謝しようという意味もありました。

ハロウィンの由来はどこの国?

ハロウィンの由来となる国はアイルランドです。

正確にはアイルランド、スコットランド、ウェールズ、ブルターニュあたりに住んでいたケルト人たちが起源です。

しかし、歴史の中でローマ人やゲルマン人などに追われ、現在ではアイルランド、イギリス、フランスの一部地区にケルト語を話す人たちがいるのみになりました。

19世紀にアイルランド人が移民すると、アメリカへハロウィンの文化が伝わり、それが世界中にハロウィンを広めるきっかけとなりました。

ハロウィンの呼び名の由来は?

ハロウィンは、もともとキリスト教の記念日の一つ「オール・ハロウズ・デイ」の「前夜(イブ)」を意味する「オール・ハロウズ・イブ」から来たとされています。「クリスマス」の前夜を「クリスマス・イブ」と言うのと同じです。

「オールハロウズ・デイ」というのは、11月1日の「諸聖人(しょせいじん)の日」を指します。この日は、キリスト教において全ての聖人と殉教者を記念する日となっています。

その前夜が「オール・ハロウズ・イブ」、この呼び名が徐々に変化し、現在の「ハロウィン」となったと言われています。

ハロウィンはキリスト教を由来とするイベント?

ハロウィンの起源はキリスト教ではありません。ハロウィンは古代ケルト民族が信仰していたドルイド教が起源です。

「ハロウィン」という呼び名はキリスト教に由来しているため、少々ややこしいのですが、この呼び名は16世紀頃に後から付けられたものです。

諸説ありますが、ケルト人がドルイド教からキリスト教へと信仰を変えていく過程で、キリスト教の記念日とハロウィンが関連づけられたのではないかと考えられています。

アメリカでもハロウィンは、子どもたちが楽しむ民間行事として宗教に関係なく受け入れられています。

でも、ドルイド教という異教徒の行事を起源とするハロウィンに対し、クリスチャンの両親たちは子どもたちをハロウィンに参加させるかどうかで悩むこともあるそうです。

ハロウィンのカボチャの由来は?

ハロウィンのカボチャの由来はカブです。と言われてもよく分かりませんよね。

ケルト人はもともとカボチャではなくカブを切り抜いて「悪魔除け」のランタンを作っていました

カブがカボチャに変わったのは、ハロウィンがアメリカへ伝承された際、アメリカで多く生産されていた加工のしやすい野菜がカボチャだったからです。

今ではハロウィンといえばすっかりカボチャのイメージになりましたね。

ジャック・オー・ランタン

カボチャ(カブ)を切り抜いたランプを「ジャック・オー・ランタン」と言います。

これは、日本語に訳すと「ちょうちん持ちのジャック」という意味です。

ジャックというのはアイルランドの伝承の中に登場する人物。

ジャックの物語|アイルランドの伝承

昔、ジャックというケチで嘘つきで乱暴な酒飲みがいました。ある日、悪いことばかりするジャックのもとに魂を奪うために悪魔が現れます。しかし、嘘つきなジャックは言葉巧みに悪魔をだまし、苦手な十字架を使って返り討ちにしてしまうのです。

ジャックに追い詰められた悪魔は、もうジャックの魂は二度と取らないと約束をして、彼のもとを立ち去ります。悪魔に魂を取られる危機を脱したジャックでしたが、彼にもやがて寿命が来ます。

生前、悪いことばかりしていたジャックは当然、天国に行くことはできず、しぶしぶ地獄へと向かいます。すると、地獄の入口にはかつて出会った悪魔がいるではないですか。地獄に入ろうとするジャックに悪魔はこう言うのです。

「以前、お前の魂は奪わないと約束した。だから、お前の魂を地獄に連れていくことはできない」

こうして、天国にも地獄にも行くことができないジャックは、来た道を引き返そうとします。でも、目の前には暗くて冷たい闇が広がっていてよく見えません。ジャックは悪魔から地獄の小さな炎を分けてもらい、落ちていたカブを切り抜いてランタン代わりに火を灯しました。そして、あの世とこの世の境目をいつまでもさまよい続けるのでした。

これが「ジャック・オー・ランタン」の物語です。

どうしてジャック・オー・ランタンが「魔除け」に使われるようになったのか?

その辺の理屈はいまいち分かりませんが、地獄の炎だから、悪霊は怖がるということでしょうか?

トリック・オア・トリートの由来とは?

「トリック・オア・トリート(Trick or Treat)」というのは、日本語にすると「お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうぞ」みたいな意味です。

日本ではあまり見かけませんが、ハロウィンでは、お化けに扮した子どもたちが近所の家々を訪ね、玄関先でお菓子をねだるときに使う合言葉です。

「トリック・オア・トリート!」と声をかけられた家の人は「ハッピー ハロウィン!」 と応え、子どもたちにお菓子を渡します。

トリック・オア・トリートの由来は諸説ありますが、キリスト教のソウリング(Souling)という儀式が後からハロウィンに付け加えられたという説が有力です。

ソウリングというのは、カトリック協会が定めた11月2日の「死者の日(All Soul’s Day)」に死者が天国へいけるよう祈りを捧げる儀式です。

ソウリングでは、クリスチャンの子どもたちが各家庭をまわり、讃美歌を歌ったり、訪問先の死者に祈りを捧げます。

その代わりに、訪問された家の人はソウルケーキ(魂のケーキ、Soul cake)と呼ばれるクッキーのようなものを子どもたちに渡すのです。

ハロウィンの習慣とほとんど同じですね。

まとめ

ハロウィンは、古代ケルト民族が信仰していたドルイド教の儀式を由来とする収穫祭でした。

ハロウィンの由来にはいろんな説があり、どれが正解なのかは正直のところはっきりしていません。

というのも、ケルト人は文字を持たない民族だったため、ドルイド教に関する彼らの文献が一切残っていないからです。

つまり、ハロウィンは2,700年以上も前に生きていた人たちが、口伝によってのみ現在まで伝承してきた壮大な伝言ゲームのような儀式なのです。

悪霊を追い払うために、なぜ、悪霊の格好をしなければいけなかったのか?少しだけ腑に落ちないのは私だけではないはずです。